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2016.05.09

【定年起業への挑戦!】コンサル実務に生きる前職の苦労

 六角明雄(ろっかく・あきお)さん(50)は経営コンサルタントになりたい、と若い頃から思っていたそうです。新卒でまず銀行に入社し、コンサルティング部署への配属を希望しました。ところが、山一証券の倒産というショッキングな事件が起き、勤めていた金融機関においても取り付け騒ぎが起こるという事態を迎えます。

 「その頃は1日16時間働きましたね。仕事自体は好きだったのですが、サラリーマンであっても安泰でないことがよくわかりました」(六角さん)

 金融機関でコンサルティングの仕事を続けていくことを断念した六角さんは、中小企業診断士、ITコーディネーターの資格を取得して2008年に独立、中小企業診断士六角明雄事務所を開設します。

 「中小企業であっても、これからはマネジメントを学ばないと会社は生き残れません。もちろん人脈や販売先も大切ですが、マネジメント能力によって企業が長続きできるかどうかが決まります」

 六角さんは「経営コンサルタント」という言葉の定義も曖昧ではないかと言います。

 「BS(バランススコア)カードを使って、人事、生産などのバランスを取ることが経営だと思います。自分はかかりつけ医のような立場で中小企業のコンサルティングを行っていきたいと思うのです」

 六角さんはすでに経営戦略や会計に関する著書を多数出版し、読者からも高い評価を得ています。銀行員時代、大変な思いをされたことが、もしかして、経営コンサルタントの実務に生きているのかもしれません。 (取材・構成:藤木俊明)