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2020.02.13

【定年起業への挑戦 実践編】買い物難民を救う「移動販売」でシニア起業

 社会問題化している「買い物難民」だが、今のところ有効な手立ては見つかっていない。そんな中、「とくし丸」という移動スーパーのサービスが伸びている。株式会社とくし丸と契約した地域のスーパーが、地元の個人事業主と提携し、軽トラックにその商品を積んで地域のすみずみまで代行販売するものだ。買い物難民を救う一つの解として注目を浴びている。この仕組みを作り上げた株式会社とくし丸の代表取締役住友達也さん(62)に話を聞いた。住友さんは以前、徳島県でタウン誌の事業を立ち上げ、成長させた後に事業を売却した。そして2012年、54歳の時に新たにとくし丸の事業をスタートさせた。母親が買い物難民化したことがきっかけになったと言う。


 「最初はどこのスーパーも話を聞いてくれませんでしたね。私の給与は3年間ゼロでした」(住友さん)


 しかし、住友さんは必ずこの事業はうまくいくと信じていた。


 「だってこれは社会から求められている事業ですよ。自分が最初に起業した時期にはタウン誌が成長していましたが、今はこれこそが成長市場だといえます」


 住友さんによると、とくし丸に参加したオーナーの所得は平均で年500万円程度とのことだ。現在、定年前後の会社員やコンビニオーナーなどから問い合わせが多いと言う。この3月には全国に500台のとくし丸の軽トラックが走る見込みだ。


 「70歳で加入した方もいます。今現在も週3、4日のペースで元気で働いています」


 体力に問題がなければシニア世代でもできる事業で、地域の人に喜ばれそうだ。説明会は随時開催しているそうで、とくし丸ホームページ(https://www.tokushimaru.jp/)で確認したい。(取材・構成 藤木俊明)