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2016.03.30

【片桐実央のゆる起業のススメ】収納代行サービス

 小学生向けダンス教室を経営する女性(50)がいました。レッスン代は月末に生徒から直接現金でもらいます。ただ、集金日に生徒が休んだり、忘れたりすると徴収が遅れ、スタジオ代などの支払いに響くので悩んでいました。こうした際に便利な「収納代行サービス」について説明します。

 女性のようなケースで現金で集金していると、紛失・盗難のリスクに加え、事務作業にかかる労力も相当なもの。収納代行には一定の手数料がかかりますが、こうしたリスクや労力を軽減できます。また、顧客(女性の場合は生徒の保護者)の口座から引き落とすので、未払いを減らせるのもメリット。月払いのサービスを提供する会社は導入を検討する価値があります。

 サービスの仕組みは、顧客の口座からいったん代行業者に代金を集め、手数料を引いた分がまとめて自社口座に入金される-という流れ。手数料は1件当たり100円程度のところが多いようです。

 導入の際の注意点は3つ。まず、顧客に書いてもらう口座振替依頼書にミスがあると、引き落としができません。事前の十分な説明が必要です。2つ目は顧客から依頼書をもらってから、振替が始まるまでには約2カ月かかること。その間は現金か振り込みで対応するか、最初の引き落としでまとめて請求するかになります。3つ目はいったん代行業者が預かるため、顧客口座からの引き落としと、自社への入金の間に約1週間のずれがあることです。

 インターネットで「収納代行サービス」を検索すると、たくさんの業者がヒットしますし、業者比較サイトもあります。業者を選ぶ際のポイントは、(1)手数料(2)口座振替の日程(3)依頼書の書式-の3つ。(2)については、顧客口座から引き落とし日と、自社口座への入金日を確認し、経費の支払いなどに影響しないようにします。(3)は、PDF形式(電子文書の一種)の依頼書が用意されていれば、電子メールに添付して顧客に送れるので便利です。一度決めた業者を変えるには、顧客にも改めて依頼書を書いてもらわなければなりません。慎重に検討して選びましょう。

 女性は、今後生徒が増えることを見越して、収納代行サービスを利用することにしました。いくつかの業者の方と実際に会い、詳細を聞いてから決定するそうです。